シェーグレン症候群とウイルス感染・自律神経の関係
シェーグレン症候群は、
涙腺や唾液腺などの炎症や機能低下などにより、
口の渇き(ドライマウス)や目の渇き(ドライアイ)
などの症状や微熱、筋痛、関節痛などの症状が、
確認されることが多いようです。
ヒトT細胞白血病ウイルスや
EBウイルスの感染が、要因となり、
自己抗体が自分自身の細胞を攻撃してしまう、
自己免疫疾患の一つと考えられています。
ただし、
ヒトT細胞白血病ウイルスや、
EBウイルスなどのウイルス感染の場合は、
ウイルス自体が人間の細胞を破壊してしまうので、
ウイルスを退治する免疫力が必要となります。
免疫力が低下していると、
ウイルスなどの増殖を抑えられないために、
長期的・慢性的に炎症が続き、
微熱や痛みが長期間出る原因にもなります。
それなので、
自己抗体による破壊だけではなく、
ウイルス感染による、
涙腺や唾液腺の破壊も進んでしまうのです。
もちろんウイルスの感染は、
全身に及ぶので、全身で症状が出てきます。
その後、ウイルス感染が収まっても、
涙腺や唾液腺の破壊が進んだ状態では、
涙や唾液の分泌が減少して、
目の渇きや痛み、口の渇きの原因になります。
しかし、それ以前に、
ウイルス感染している時点で、
涙腺や唾液腺だけではなく、
目の角膜や結膜、口腔内の粘膜なども、
ウイルス感染による細胞破壊が、
起きているのです。
すなわち、涙や唾液の減少による、
目や口への影響が出る以前から、
目や口は、ウイルスによる、
細胞破壊などの影響があると言う訳です。
結膜や口腔内粘膜などは、
ムチンなどの粘液成分を分泌しています。
そこに、涙や唾液などの液体成分が分泌され、
表面を覆って保護します。
その、粘液成分と液体成分の二重のバリアが少なくなり、
結膜や角膜、口腔内粘膜などの細胞も破壊され、
さらなる感染に対して無防備な状態になり、
次々と感染が起きて、
慢性的に炎症が続く状態になってしまいます。
長期的な痛みは強いストレスとなって、
極度の交感神経が優位な状態を引き起こします。
涙腺や唾液腺は、
副交感神経が働いたときに、
涙や、漿液性の唾液(サラサラした唾液)を分泌させます。
すなわち、交感神経が極端に優位な時は、
涙や唾液の分泌が抑えられ、
目や口がカラカラに乾いた状態に、
なってしまうのです。
ということは、免疫力が正常で、
自律神経のバランスも良ければ、
シェーグレン症候群の症状である、
目や口の渇きや、
微熱・関節や筋肉の痛みなどの症状の原因を、
抑えられる可能性が大きいのです。
ヒトT細胞白血病ウイルスや、
EBウイルスなどの感染でなくても、
インフルエンザなどの風邪のウイルスでも、
似たような症状が出る場合があります。
病院で、シェーグレン症候群と診断されても、
治療方法がないと悲しむ事はないと思います。
シェーグレン症候群の診断方法の一つに、
血液検査による、SS-AやSS-B抗体の検出があります。
抗SS-A抗体はシェーグレン症候群の70~90%で、
検出されるとのことですが、
逆にいうと、
抗SS-A抗体が検出されても、
最大で3割もの方がシェーグレン症候群ではない、
ということになります。
というのは、
疾患特異性は低く、
全身性エリテマトーデス(SLE)
強皮症、混合性結合組織病(MCTD)
関節リウマチなど、
他の膠原病でも、陽性となるからなのです。
そして、
抗SS-B抗体は、シェーグレン症候群の、
30~40%に検出されるようです。
こちらは、特異性が高く、
抗SS-B抗体陽性の場合、
抗SS-A抗体も陽性となるようです。
しかし、
シェーグレン症候群でも、
6割以上の方が、
抗SS-B抗体が検出されない訳です。
その程度の診断精度しかない、
判定方法ということなのです。
そもそも症候群とは、
『 はっきりした原因は不明だが、
いつも必ず幾つかの症状が伴ってあらわれる時、
病名に準じて使う医学用語 』
だそうです。
ウイルス感染を確定して、
それに対処すれば良いのではと、
ふと、考えてしまいます。
免疫力と自律神経の働きを考えれば、
原因と対処法も、
病院とは別のものになってくると思います。
当院では、自律神経の働きも検査しています。
最後までお読み頂きまして、
ありがとう御座いました。
横浜市西区の鍼灸院
鍼治療幸
院長の横田浩一が、
お伝え致しました。